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Vol.7
2021.12.03
第3回 日本僑報社 社長 段景子氏 (後編)
中国人社長インタビュー第3弾!日本での出版社経営について伺いました
こんにちは、ふえるワ!編集部員、謝です!
連載企画「にっぽんで暮らす中国人社長」は、中国出身の新入社員、わたくし謝が、日本で活躍されている中国人社長にインタビューし、日本での生活や成功の秘訣を学ばせていただく企画です!
第3回目は株式会社日本僑報社社長 段景子(だん・けいこ)氏にお話を伺いました。同社が企画する中国人の日本語作文コンクールはふえるワでも紹介しています。
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段社長は、1989年に北京から来日。日本で博士号(社会福祉学)取得後、大学教員などを経て、2004年より日本僑報社代表取締役社長を務められています。日本での生活や出版社経営についてなど、オンライン対談形式でお話を伺いました。
前編、中編では、出版社の設立経緯や同社の出版している本の内容などについてお伺いしました。後編では、コミュニケーションのコツや出版にかける想いを伺います。
コミュニケーションのコツは同じ目標や課題を持つこと
中国と日本で、生活や仕事の時に何か違いがありますか?
日本では、しっかり計画を立てることを重視しますね。ですから実施前の計画策定にも少し時間がかかります。中国の方が計画よりも効率性にこだわると感じています。時々、その日に思い出したことを唐突に行うので混乱するかもしれませんが、協力して克服し、とても効率的です。どちらが良い、悪いではなく、仕事の進め方に違いがあることを理解する必要があります。日本人は、中国人の「临机应变(臨機応変)」な進め方に適応しにくいかもしれません。日本にいる中国人も、違いがあるのを理解したうえで、日本人の計画性を尊重する必要があります。例えば約束した日時をきちんと守るようにすれば、日本人と中国人の交流と付き合いは、よりスムーズになるでしょう。
日本人とのコミュニケーションで気を付けていることはどんなことですか?
日本人と中国人、文化は違っても根本は同じだと思います。これまでに、日本人との間に誤解が生じたり、楽しくないと感じたりしたこともあったかもしれませんが、同じ目標・話題を持って、行動するとお互いに理解できるのではないでしょうか。例えば、翻訳学院の先生たちと仕事をするときは、全員が、同じ目標を持っています。翻訳の過程で論争や誤解も生じますが、翻訳が終わるとお互いの関係は近くなり、お互いに理解できるようになるものです。もちろん相手の文化についても知る必要があります。多くの本を読んで知識が増えたら、共通の話題が見つかり、これも関係構築の礎となるでしょう。
中日関係に貢献できる出版の仕事はとても楽しい
出版社の理念や実績、本当に偉大だと思います。
自分の仕事は、中日関係のために貢献していると感じられ、とても楽しいです。今はほぼ日本全国に当社の著者がいます。作文コンクールに参加した中国の学生たちの中には、今日本に来て働いている人もたくさんいるんですよ。どの本屋に行っても当社の本があるのは嬉しく、達成感があります。これらは将来の文化遺産にもなりますよね。
今後の目標をお聞かせください。展望や目標はありますか?
良書を次々出版し、もっと多くの人に中国の正しい情報を伝えたいですが、一番大切なのは、楽しく自分が有意義だと感じられる仕事をすること。本を出版し、自分でも読みながら、様々なことを学んでいますし、多くの人と会うこともできます。今までの経験も出会った人も、全部私たちの「宝庫」、「財産」です。当社への信頼にも感謝しています。とても幸せです。お金を払っても買えないものばかりです。
日本僑報社Best seller TOP10に輝いた本
読書で知識レベルを上げれば話題も観点も変わる
日本で生活や仕事をしたい外国人にアドバイスをお願いします。
日本についてもっと知りたいなら、本をたくさん読むべきです。「入乡随俗(郷に入っては郷に従え)」。本をたくさん読んで、日本の文化をよく知ってください。本は人を変えることができます。長い間付き合っていると、中国人と日本人、根本は同じだと分かります。ただ、良い付き合いをするためには、相手と知識レベルが同じである必要があります。勉強もせず、本も読まない人と、その逆の人とでは、話題が合わず、観点も違います。相手の考えや観点を理解するためにも、本を読みましょう。読書も一つの技能と習慣です。読んだ本が多ければ多いほど、本を読むスピードも速くなり、理解も深まります。
日本の電車では、紙の本や電子書籍を読んでいる人をよく見かけます。
今は財布などを持たなくても出かけられますが、携帯だけは必ず持って行かなければなりません。暇があれば携帯のゲームで遊ぶこともあるでしょう。遊ぶ代わりに読書をすることで、自分を充実させることができます。読書を大切にしたいですね。
中国語で「活到老,学到老」という言葉があります。生きて行く限り学び続ける、という意味で、知識はいつも更新し、補充する必要があるということです。毎日忙しく、時間を作るのは難しいでしょうが、まずは自分の興味のある本から読み始めてみませんか。
インタビューを終えて…
本はいろいろな知識を身につけるのに役立ちます。本は知識のもとです。特に他の国にいる外国人にとっては大きな助けになります。文化、風俗、会話の言葉や表現で話す能力や書く能力、物事を考えられるようになるなど、本から多くのことを学ぶことができます。人間関係においても知識は必要不可欠です。共通の話題で相手の考えを理解する必要があります。自分にとっても相手にとっても有益です。
そして、今の忙しい情報化時代では、電車などの移動時間を有効に活用できます。紙の本ではなくても、ほとんどの人が出かけるときには携帯を持っています。電子書籍もいい選択です。本で読んだ知識で自分を充実させます。本はあなたを今まで知らなかった世界に連れて行くかもしれません。
多く本を読むのは知識を積むためだけではなく、脳と自身の記憶力、集中力を強化することができます。本を読む価値はお金で買えないものです。(謝)
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