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2023.03.03
AI技術で翻訳の仕事がなくなる?私がよく利用する機械翻訳4つをご紹介!
2023年はAI元年と呼ばれるほど、AI技術が飛躍的に伸びると言われています。
日本語を第二言語として自由自在に扱う読者の中には、仕事で通訳や資料の翻訳を担当している人も多いのではないでしょうか?
Google翻訳やDeepL翻訳などの精度が飛躍的に高くなっているので、翻訳業務で機械翻訳を使うことも多いでしょう。
では、日本で知名度の高い機械翻訳サービスはどこまで実用的に使えるのでしょうか?
「Google翻訳」の地位を脅かすのはどこの翻訳サービス?
機械翻訳と言えば「Google翻訳」と答える人が多いかと思います。
私が初めて機械翻訳を使ったのは「Excite翻訳」でした。色々と思い出のあるExcite翻訳ですが、Google翻訳やDeepLの台頭により、残念ながら2022年10月31日にサービス終了となってしまいました。
「Excite翻訳」がなくなった代わりに機械翻訳としてどんなサービスが出てきたのか、Google翻訳を筆頭に、代表的な4つのツールを紹介しようと思います。
それぞれの翻訳精度を見るために、冒頭文を翻訳例として載せていますので参考にしてみてください。
機械翻訳と言えば「Google翻訳」その気になる精度とは?
2006年にGoogleがサービスをはじめた「Google翻訳」は、今ほど翻訳精度は高くありませんでした。ただ、ITテクノロジーの進歩に伴い、翻訳精度を急速に伸ばしてきています。
まずはGoogle翻訳の翻訳結果を見てみましょう。
翻訳結果を見ると違和感のない文章になっていますね。文字数も少なく、簡単な日本語なので大きく間違えることはなさそうです。メールの翻訳だけなら実用に耐える精度と言えます。
誤訳の少ない精度を求めるなら「DeepL」が本命?
長らくその地位を不動のものにしてきたGoogle翻訳でしたが、2017年8月に登場した「DeepL翻訳」でその基盤が一気にひっくり返りました。
脳神経細胞のようなニューラルネットワーク技術を利用したDeepLは、その翻訳精度の高さで一気に認知度を高めています。私も中日や日中翻訳をするときはDeepL翻訳をよく利用しています。
ただ、私がよく使う中国語(簡体字)は英語の二次翻訳をベースにしているようなので、DeepLで翻訳された文章をそのまま使うほど、精度が高くありません。
では翻訳結果を見てみましょう。
こちらも大きな誤訳や訳漏れはありませんが、他の機械翻訳にあった原文の「言われています」を意味する「据说」がありません。中国語の文章はどちらかというと「断定的」のニュアンスになってしまっています。
とはいえ、他に複数の翻訳結果を例文として表示してくれるのはありがたいですね。
最近気になるダークホース「Papago」の実力とは?
「中国語を日本語に翻訳するならpapagoがいいよ!」
と知人(プロの日中文芸翻訳家)の紹介で使うようになった翻訳ツールが「papago」です。韓国のネイバーが提供している翻訳サービスなので、韓国語に強いのかもしれませんが、あいにく私は韓国語を全く勉強したことがないのでpapagoの真の実力は分かりません。
ではpapagoの翻訳結果はどうでしょうか。
papagoだけ「コンマ」が文章の中に2つ入っていますね。しかも「据说」のすぐ後に「コンマ」です。ここにコンマを入れてしまうと「据说」が文章の前半にかかるのか、後半にかかるのか分かりづらく感じてしまうのは私だけでしょうか。
中国本家本元の「Baidu翻訳」の実力は?
私はほぼ使ったことがありませんが、中国在住者であれば中国の「Baidu翻訳」を使うことも多いでしょう。今回の記事で初めて「Baidu翻訳」を使ってみましたので結果を見てみましょう。
他の翻訳結果では「将来的に〜になるだろう」を意味する「将」を使っていますが、Baidu翻訳だけ「会」を使っています。また、「据说」は後半にかかっているので私の意図した通りに翻訳されています。
とはいえ、全体的に直訳になっており、どちらかというと「話し言葉」っぽいですね。ただ、十分に実用に耐える結果になっていますのでさすが本家本元という感じです。
4つの機械翻訳で順位をつけるなら「DeepL」が1位の結果に!
今回、私がよく利用する機械翻訳ツールを含めて4つ紹介しましたが、細かいニュアンスなどを除けば、翻訳精度に大きな差はありませんでした。メールの翻訳くらいであれば、どのツールでも十分に実用に耐える結果になっています。
ただ、長文の翻訳や専門的な内容の翻訳になってしまうと機械翻訳の力不足を感じてしまいます。
その中で今回紹介したツールにあえて順位をつけるなら
1位:DeepL
2位:Baidu翻訳
3位:papago
4位:Google翻訳
やはりDeepLが強いという結果に。
翻訳の仕事は先細りと言われることも多いのですが、現時点ではまだまだ翻訳者の手による翻訳作業が必要だと感じます。
個人的な希望を言えば、AI翻訳と一緒にうまく共存できる世の中になってほしいですね。
FueruWHA!プロフィール
柚木映一(@yuzuki_haruhito) 40代
年子姉妹を育てる2児の父。中国の蘇州に5年、上海に5年の滞在経験あり。
最近は中国語スキルを活かして副業Webライターとして活動中。
請け負う案件は中国語→日本語の産業翻訳がメインで、2022年8月にwebtoon翻訳者デビュー。
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