チューハイは、終戦直後の東京で誕生した
とある中国人女子を夢中にさせているものが「チューハイ」です。そう、焼酎をレモンやリンゴなどのフレーバーと炭酸で割った日本の居酒屋の定番アルコールメニューですね。
今やチューハイは日本でもっともポピュラーな酒類と言われ、日本全国のどこのコンビニエンスストアでもビールよりも多くの種類が並んでいます。
チューハイは、終戦直後の東京で誕生したとされます。焼酎ハイボールを略してチューハイとなった説が有力で、似たようなアルコール飲料にサワーという飲み物が存在します。こちらも東京生まれとされますが、現在は、関西から西の地域では、チューハイよりもサワーと呼ぶことが多いようです。実は両者には明確な区別はなく、ほぼ同じ飲み物として扱われています。
ドラックストアで多数の種類のチューハイが並ぶことに驚く中国人も多い
甘くて飲みやすいチューハイ
中国・山東省出身で会社員の程さん(女性)は、初めてチューハイを見た感想をこう振り返っています。
「初めて日本へ来て語学学校の同級生とサポートしてくれていた日本人学生と居酒屋を訪れて、注文してくれたチューハイの怪しげな色に正直驚きました。体に悪そう……が第一印象でした」
二十歳を超えて日本へ留学した程さんは、中国では飲酒をする習慣はなかったそうですが、甘くて飲みやすいチューハイにすっかりとハマってしまったようです。
程さんは定番のレモンも好きだけど、特にお気に入りは、抹茶ハイとウメサワーだそうです。
「色々な味が楽しめるのがいいのと、何よりも安いのがいいですね」(程さん)と、すっかりとチューハイの虜(とりこ)になっているようです。
中国のアルコール
洋酒やワイン、カクテルなどを飲むことができる大連のバー
明確な比較統計はないのですが、中国人女性は、日本人女性よりもお酒を飲む人の割合が少ないと言われます。その理由の1つとして考えられるのが、中国ではアルコールの種類が少ないことが関係してそうです。
中国のアルコールは、全国的にビールが中心的な地位を占めていて、他には結婚式など祝い事で飲まれる白酒(コーリアン酒・トウモロコシなど穀物を原料とした蒸留酒)や上海から南では紹興酒なども飲まれます。ですが、全体的にビール中心の中国はアルコールの種類が少なく、女性が楽しめるようなアルコールが少ないことが影響して、お酒を飲む女性が少ないのではと考えられます。
中国の白酒
白酒はコンビニで売られているような安いものだとアルコール度数10%くらい。結婚式や会合で出されるような高級とされるものだと50%を超えるものもあり、少量で酔えますが、飲んだ瞬間に記憶を飛ばした……という人も少なくありません。
中国の一般的な結婚式では、新郎新婦によるテーブル挨拶で、参加した男性は白酒で乾杯し、女性は飴玉などを食べるという習慣が定着しています。
その一方、近年は赤ワインブーム到来で赤ワインを飲む人が増えていますが、ウイスキーなど洋酒同様、バーや高級レストランなどまだまだ限られた場所で飲むもので、一般的なレストランではあまり見かけない存在です。
現在、中国でもチューハイは日本料理店で楽しむことができます。ですが、多くがローカルの瓶ビールの2、3倍くらいし、生ビールよりも高いというちょっと高級な飲み物だったりします。
(我妻伊都/5時から作家塾®)
FueruWHA!レポーター/プロフィール
我妻 伊都(わがつま いと)
編集者・フリーライター。SARSが流行しているとき中国へ初出張。2005年から拠点を中国へ移し十数年過ごす。現在は東京拠点に活動。中国では出張者、駐在員、現地採用、留学生、フリーランス、NPO理事などを経験。11年に雑誌編集者、12年に月刊誌でプロライターデビュー。『ニューズウィーク日本版』『日本と中国』『週刊SPA!』『ハーバー・ビジネス・オンライン』等へ執筆。機関紙や専門誌の編集にも携わる。
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