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2021.12.29
中国人経営者に人気のiQOS、加熱式たばこは日本しか売っていない
新型コロナウイルスの影響で外国人が訪日できなくなって1年半以上経ちました。嘆いているのは観光業関係者だけはありません。「iQOS(アイコス)」好きの中国人たちも嘆いています。
アイコスは加熱式たばこと呼ばれるたばこです。コンビニエンスストアでも販売されているので、見たことがある人も多いと思います。実は加熱式たばこは、ほぼ日本でしか売っていないってご存知でしょうか。
中国ではアイコス本体もたばこも販売が禁止されています。当然ながらECサイトの淘宝網やアリババで検索しても1件も表示されません。中国では加熱式たばこだけでなく、電子たばこのオンライン販売も禁止になっています。
アイコスが中国人経営者の中でブームとなったのはここ数年の話です。日本との間を行き来する中国人経営者が経営者同士での集まりでアイコスを使っていて、その見た目のスマートさと目新しさから広がったようです。
日本から中国への国際郵便では、たばこを送ることができません。アイコス用のたばこも同様でEMS、船便であっても原則送ることはできません。そのため、アイコスのたばこを手に入れるためには人間が日中間を往来してハンドキャリーする必要があります。
ある中国人経営者は、アイコスのたばこを買うために日本への出張予定を立てたり、旅行会社へ依頼して団体旅行の参加者たちに購入してもらったりしていたようです。そんな状況がコロナ禍で一変し、人間の往来ができなくなったことで、アイコスのたばこを手に入れることができなくなりました。
アイコスを愛用する広州の中国人経営者の男性は、「仕方なく普通の紙たばこに戻しました」と話し、「コロナが終わったら日本へアイコスを買いに行きたいです」と話しています。コロナ騒動直前の2019年11月に発売した最新機種「アイコス 3 DUO」も早くほしいと心待ちにしているようです。
なぜか非喫煙者の私がこの最新アイコスを3台も未開封で保管しています。すべて中国人の知人に頼まれて買ったものです。アイコス 3 DUO は、ホワイトなど4色ありますが、圧倒的に皆さんゴールドがお好きなようです。
このほぼ日本でしか売っていない加熱式たばこですが、非紙巻たばこでは、世界的にはVAPE(ベイプ)と呼ばれる電子たばこが主流だったりします。日本はニコチンを入れることが法律で禁止されているため、ベイプは普及せず、その代わりが加熱式たばこだったと言われます。
新型コロナが収束し日中往来が再開したら、待ち焦がれていたアイコス愛好者たちの“アイコス爆買い”が起こるかもしれませんね。
(我妻伊都/5時から作家塾®)
FueruWHA!レポーター/プロフィール
我妻 伊都(わがつま いと)
編集者・フリーライター。SARSが流行しているとき中国へ初出張。2005年から拠点を中国へ移し十数年過ごす。現在は東京拠点に活動。中国では出張者、駐在員、現地採用、留学生、フリーランス、NPO理事などを経験。11年に雑誌編集者、12年に月刊誌でプロライターデビュー。『ニューズウィーク日本版』『日本と中国』『週刊SPA!』『ハーバー・ビジネス・オンライン』等へ執筆。機関紙や専門誌の編集にも携わる。
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