中国人は「東京と大阪のどちらが住みやすい」」と感じているのでしょうか。在住経験者へ聞くと大阪という声が多いようです。
「世間話の内容が中国人に似ている」
「すぐにいくら(なんぼ)? と確認する」
「適当に道を教える」
「初めての人にも優しい」
「大阪弁は上達すると外国人だと思われなくなる」
さらに確認していくと、「中国人の習慣に近いから」という意見もあるようです。
この件を語学学校で東京、就職して大阪に住んだという経験を持つ上海在住の中国人男性に話を聞くと、こんな答えが返ってきました。
「東京の人は冷たい、と感じるという中国人は多いようです。ですが、慣れていくと、東京は初めて利用した店でも10回利用しても誰でも同じサービスが受けられることがわかります。大阪は中国に近く、初めての利用だとちょっと警戒された感じを受けますが、常連になると態度が一変してフレンドリーになります。一方、東京は常連になっても大阪のようにフレンドリーにはなりませんが、いつ行っても安心して利用できます。」
あと、大阪は駅で迷っていると、頼んでもないのに教えてくれたという体験談を聞きますが、東京は尋ねても交番や駅員へ聞くように言われたという話を聞きます。確かに実際そうかもしれません。これについても、
「東京の人は、あやふやなことを無責任に答えられないので、プロに任せたほうがいいと考えているのではないでしょうか。むしろ、相手を思っての行動のように私には思います」(前出の中国人男性)
そう言われてみると、「なるほどな」と思ったりもします。
では逆に、中国に住む日本人の場合はどうなのでしょうか。
「関西出身者のほうが、関東出身者よりも中国に早く溶け込み、長く滞在する人が多い」と兵庫出身で南京、北京、大連で10年ほど滞在経験がある女性は話します。
「私は学校や企業で日本語教師をやっていたのですが、関わった同僚の先生や日本人駐在員などを見ていると、ホームシックになって帰国していたのは、男女問わず関東出身の人ばかりでしたよ。笑わせたり、盛り上げたりが苦手みたいで、ストレスを溜め込んじゃうみたいです。その点、多くの関西人は慣れていますからね(笑)」
色々な意見があると思いますが、中国に住んでいると、沖縄から北海道まで各地に住んだことがあるという中国人に出会います。東京、大阪以外にも「福岡最高」や「富山が素晴らしかった」「静岡、青森など地方のほうが東京、大阪の大都市にはない人の温かさや自然が豊かで住みやすかった」という話もよく飛び出してきます。
結局、日本人もそうですが、住めば都なんでしょうね。日本の色々な場所に住んで「住み心地」比較をしてみるのもいいかもしれません。
(我妻伊都/5時から作家塾®)
FueruWHA!レポーター/プロフィール
我妻 伊都(わがつま いと)
編集者・フリーライター。SARSが流行しているとき中国へ初出張。2005年から拠点を中国へ移し十数年過ごす。現在は東京拠点に活動。中国では出張者、駐在員、現地採用、留学生、フリーランス、NPO理事などを経験。11年に雑誌編集者、12年に月刊誌でプロライターデビュー。『ニューズウィーク日本版』『日本と中国』『週刊SPA!』『ハーバー・ビジネス・オンライン』等へ執筆。機関紙や専門誌の編集にも携わる。
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