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世界が驚愕する卵かけご飯

中国人だけではなく、世界中の人が、日本の料理で驚愕するのが「卵かけご飯」です。最近ではTKGとも表記される、ご飯に生卵をかけて好みで醤油を垂らして食べる実にシンプルなものです。料理というよりは食べ方と言ったほうが正確かもしれません。

卵を使った料理は世界中に存在します。煮卵、炒り卵、目玉焼きなどなど。ただし、生卵はもちろん、半熟での料理はありません。目玉焼きは入念にカリッカリに両面焼いて、日本だと「焦がした?」と思うくらいの状態で食べるのが一般的です。

日本以外の多くの国では、卵は生では食べることができないと認識されています。実際にサルモネラ菌による食中毒が、いまだに後を絶たないからです。

「卵かけご飯」

卵かけご飯

中国から日本の大学へ留学して、初めてのサークル合宿の朝食で卵かけご飯に出会ってしまった劉佳さんは、最初「新入生向けの罰ゲーム?」と思ったそうです。

中国で煮卵の殻をむく経験は、山のようにありますが、生卵を自分で割ったのは、この時が初めてだったそうです。それくらい鮮明に覚えていると劉さんは話します。

日本人からすると、「卵かけご飯になんで驚くの?」くらい不思議に思うでしょうが、世界的には、生卵を割ってそのまま食べるなんて正気の沙汰ではなく、非常識な行為だったりするわけです。

「茶葉蛋(チャーイエダン」

茶葉蛋(チャーイエダン

もちろん、中国にも卵料理は豊富にあります。大抵のコンビニエンスストアや個人商店には「茶葉蛋(チャーイエダン)」と呼ばれる煮卵が売られています。専用の炊飯器のような窯でグツグツ煮ていて、店内に香ばしい匂いを放っています。

中国のスーパーマーケットや市場には、食材としての卵も日本と同じようなパックで売られていますが、そのままTKGには使えません。ところが、日本人も多く住む一部の都市では、「TKG専用卵」として売っている卵があったりします。価格は普通の卵の数倍する高級卵です。

日本料理店の中には、このTKG専用卵を使った卵かけご飯をメニューとして提供している店もあります。丼もののような扱いで1食30~40元(約510~685円)はします。30、40元あれば、青島ビールの350ミリリットル缶が10本近く買えてしまう…、そんな価格です。

醤油

中国在住の日本人へお土産で、卵かけご飯と相性が良さそうな日本の「しぼりたて生しょうゆ」(キッコーマン)などをプレゼントすると喜んでくれます。また、日本の醤油は、現地中国人にも人気があります。あまり知られていないのが、醤油と同じくらい人気がある「めんつゆ」だったりします。北海道限定の「めんみ」(キッコーマン)などが大人気だったりするのは、日本人にはあまり知られていないかもしれません。

めんみは高くて送料もかかりますが、中国の友人から頼まれて定期的に国際郵便で送っています。

(我妻伊都/5時から作家塾®)

FueruWHA!レポーター/プロフィール

我妻 伊都(わがつま いと)
編集者・フリーライター。SARSが流行しているとき中国へ初出張。2005年から拠点を中国へ移し十数年過ごす。現在は東京拠点に活動。中国では出張者、駐在員、現地採用、留学生、フリーランス、NPO理事などを経験。11年に雑誌編集者、12年に月刊誌でプロライターデビュー。『ニューズウィーク日本版』『日本と中国』『週刊SPA!』『ハーバー・ビジネス・オンライン』等へ執筆。機関紙や専門誌の編集にも携わる。
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