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お尻のポケットに長財布

日本へ来たと実感する尻ポケと1万円札

新型コロナウイルス感染拡大前まで、毎月のように出張で訪日していた汪さん(40代・男性)は、日本へ到着すると日本専用の長財布を取り出し、ズボンの後ろポケット、いわゆる尻ポケへ財布をサッと入れるのが楽しみになっていたそうです。

実感する尻ポケ

汪さんは、中国東北の瀋陽で医療関係の仕事に従事していて、最近は、医療ツーリズムなどのアテンドで、東京や大阪だけでなく札幌、仙台、福岡など日本各地の病院を訪れていました。

日本以外では、街中で尻ポケに財布を入れて出歩く光景を見かけることはありません。すぐに盗まれるからです。

日本人が日本の感覚のまま尻ポケに財布やスマートフォンを入れていて、海外で盗まれたという話はよく耳にします。

日本の常識が世界の非常識の1つ。尻ポケ財布

中国は、支付宝(アリペイ)などのオンライン決済が登場する前から財布を持ち歩く人は少なく、紙幣をバンドで止めて、ズボンの前ポケット奥やバッグにそのまま入れている人も珍しくありませんでした。

アリペイ登場前は、デビット方式の銀聯カードが財布代わりになっていた人も多かったです。そのため、中国で財布をプレゼントしても実用性が低いので、あまり喜ばれるプレゼントではありませんでした。

中国はクレジットカードよりもデビットカードが広く普及しています。デビット方式は、銀行口座と連動していて、その場で引き落とされる方式のことです。クレジットカードのように翌月払いや分割払いが利用できないデメリットはありますが、デビット方式は口座残高以上を使ってしまう心配がなく、利用者に手数料もかからないのがメリットです。多くの銀行が発行する銀行カードに銀聯が一体化しているので、銀行カード1枚持ち歩けば事足りていました。

中国クレジットカード

タイのATMでも使えて便利な銀聯付き中国銀行のカード

「日本はポケットからはみ出すくらいの長財布を入れていても、盗まれることが、ほとんどないのがすごい」と汪さんは話します。

汪さんは、中国ではできない尻ポケに財布を入れ、今では使う機会がめっきり減った紙幣、日本の1万円札を手にすると「日本に来たな」と実感するそうです。

現在、中国は監視カメラ王国と呼ばれるほど監視カメラが無数に設置されています。しかし、それでも、窃盗被害はあまり減っていません。窃盗犯らは監視カメラの死角を熟知しているからです。たとえば、エスカレーターやショッピングモールなどの入口などは死角になるので、よく狙われると言います。

もっとも日本でも窃盗はゼロではないので、十分に気をつける必要はあります。しかし、尻ポケに財布を入れて外を歩いてみると、今までに経験したことがなかった感覚が味わえるのではないでしょうか。

FueruWHA!レポーター/プロフィール

我妻 伊都(わがつま いと)
編集者・フリーライター。SARSが流行しているとき中国へ初出張。2005年から拠点を中国へ移し十数年過ごす。現在は東京拠点に活動。中国では出張者、駐在員、現地採用、留学生、フリーランス、NPO理事などを経験。11年に雑誌編集者、12年に月刊誌でプロライターデビュー。『ニューズウィーク日本版』『日本と中国』『週刊SPA!』『ハーバー・ビジネス・オンライン』等へ執筆。機関紙や専門誌の編集にも携わる。
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